第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】
1 題名 504号室のシベリアンハスキー
2 作者 marotchさん
3 投稿 18/12/01
4 書出 『今日も会社に行く、当たり前のルーチンに憂鬱な気持ちを抱えながらマンションの扉を開けて外に出る。』
隣人の不意の変身――フランツ・カフカの『変身』を想起させる冒頭ながら、赤の他人ゆえの好奇心で進行する軽快さから、読みやすく感じられました。
また、主人公までも変身するラストは予想外でした。
ただ、どうしてシベリアン・ハスキーでなければならなかったのか、について物語的納得を得ることができずやや残念でした。
また蛇足ですが、主人公の肩を事ある毎にたたく課長は相当、主人公を気にかけているのだろうと感じました。
主人公の設定として、非日常に対する姿勢(というか描写)が中途半端だと感じました。また、シベリアン・ハスキーであることで話を盛り上げるのかと思いきや、この内容だと、オオカミでもモスコー・レトリーバーでも良いような気が……