時空モノガタリ-感想録

2000字小説投稿コンテストサイトの「時空モノガタリ」でコメントした内容を記録しています。

いまのひとこと 読まねば

第166回 時空モノガタリ文学賞 【 おくりもの 】

1 題名 

尊き贈り物

2 作者 W・アーム・スープレックスさん
3 投稿 19/02/24
4 書出 『迎撃用ミサイルがついに発射されずにおわったのには、理由があった。』

 

飛来した謎の物体が人々の心に平和と安寧をもたらすものの、その裏には策謀が巡らされていて……トロイの木馬のエピソードの現代版のようで興味深く読ませていただきました。

 

◎あらすじ

 言葉では形容できないかたちをした物体が上空から降りてくる。世界中の人々がそれを崇拝する。その物体に続いて宇宙船が降下してくる。

 

◎感想

 

 拝読するときに、なるべく作者名を見ないように(見てしまうんですが……)しながら読んでいるのですが、作者のW・アーム・スープレックスさんであることが読んでいる途中でわかるくらい個性があると感じます。宇宙を絡めるのもお好きなようですね。

 

 以前の作品に引き続き、やはり文字変換が独特なのか、いまいち狙った効果が読み取れない表現も散見されます。以下に、気になった文章を抜き出して、気になった点を簡単にメモします。

 

『迎撃用ミサイルがついに発射されずにおわったのには』

 →「終わった」? 迎撃用ミサイルとは。対宇宙用? 時代の設定は?

『自然の物体でないのは』

 →「物体ではないことは」?

『日本の上空にまでたっしたとき』

 →「達した」?

『まっさきに迎撃反対をとなえたのは』

 →「真っ先」、「唱えた」?

『じつに仏教界だった』

 →じつに、の使い方が疑問。唐突な仏教。

『空からまいおりてくるそれは』

 →「舞い降りてくる」?

『多くの高層たちのそれが一致した見解だった』

 →「高僧」? 本文として「それが高僧達の多くに一致する見解だった」

『写真をみれば、べつに僧でなくてもその物体からかもしだされる神聖なまでの印象に、だれもがおもわず目を細めたことだろう。』

 →「見れば」、「別に」、「醸し出される」、「誰もが」、「思わず」?

『その物体が都心の上空にしばらくととどまるのをみた人々は』

 →「しばらく留まるのを見た」? 飛行物体が都心上空にあったのは一時的?

『だれいうともなく、迎撃反対の署名運動をはじめた』

 →誰言うとなく、あるいは、誰に言うともなく、のどちらかか? この表現もあり? 「始めた」?

『まったくどうしょうもない人間』

 →「どうしようもない」?

『くだんの物体をひとめみるなり』

 →ひと目、あるいは一目、のどちらか? 「見る」?

『何かえもいえない感動』

 →「えもいわれぬ」?

『人生にほとほといやけがさした』

 →「嫌気が差した」?

『署名をもとめるように』

 →「求める」?

『似たようなことは、全国にもおこっていた』

 →「全国で起こっていた」?

『もっと重い罪をおかした面々までが、邪心をはなれておのずと謙虚な気持ちで空からおりてくるものをみまもるようになった』

 →「犯した」、「離れて自ず」、「降りて来る」、「見守る」?

『人々は着地点とおもわれる広場にあつまりだした』

 →「思われる」、「集まり」?

『都心からはなれていないこともあってか、徒歩のものはもとより、バスや電車でくるもの、また車でくるものと、その数は日に日にふえていった』

 →「離れて」、「者」、「来る」、「増え」?

『しかしだれ一人として、さきをあらそったり、無理な追いこしをしたりすることなくみな、粛々と行列をつくってやってきた』

 →本文として「しかし先を争う者も、無理に追い越す者も誰一人としていなかった。皆、粛々と列をなしていた」

『あの物体からうける威光にふれることで』

 →物体の放つ、あるいは、物体から生じる、では? 「触れる」?

『抜け駆けや先を争う気持ちはすっかりきえうせた模様で、むしろたがいにさきをゆずりあいながら一歩一歩、黙々とすすんでいた』

 →「消え失せた」、「互いに」、「先を譲り合い」、「進んで」?

『物体はしずかに、広場の中央におりてきた』

 →「静かに」、「降りて」?

 

……もうやめておきます。