第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】
1 題名
ウサギと面倒くさいカメ
2 作者 naokitiさん
3 投稿 19/01/20
4 書出 『気温に敏感な俺は、春になると嫌でも目が覚める。』
子々孫々にいたるまで勝負を挑む、というウサギの覚悟がどこか清々しく感じられる作品でした。
家族が出てきたので『リーマスじいや』(J.C.ハリス)版なのかと思ったら、特に競争自体は出てきませんでした。
そもそも『ウサギとカメ』の話は、ウサギが挑発して、カメがその喧嘩を買って競争を提案する、という話なんですが、本作に当てはめると、配偶者がいないカメを、妻帯者のウサギが挑発するという……なんか、居た堪れない話ですね。作者様はプロフィール欄で『童話と詩を書いています。 書くことが好きです。』と仰っているんですが、なかなか世相に切り込む作品となりました。