時空モノガタリ-感想録

2000字小説投稿コンテストサイトの「時空モノガタリ」でコメントした内容を記録しています。

いまのひとこと 読まねば

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 IP NOISE 2 作者 マサフトさん3 投稿 18/12/204 書出 『薄暗い牢獄のような部屋。』 闇から現れ、闇に去る―― 誰かを連れ去るなら『電車』であるに違いないという作者様の美学を感じました。 『504 Gateway Timeout』を扱う作品がきっとあるだろう…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 お勧めの事故物件 2 作者 吉岡 幸一さん3 投稿 18/12/204 書出 『「それなら、半年間家賃無料の物件があります。お安いマンションをお探しでしたらお勧めですけど」』 ほどよいマイナス情報はかえって消費者を安心させるそうですが、まさにそのと…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 シシャモの帰る部屋 2 作者 入江弥彦さん3 投稿 18/12/204 書出 『部屋番号は504がいいの。』 『シシャモに搭載された唯一の音声を聞くために門限を破ったことが何度かある』という箇所が素敵でした。 彷徨い続ける子守ロボットを迎えたいと願う…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 ツイスミ不動産 物件5: 504号室アパート 2 作者 鮎風 遊さん3 投稿 18/12/194 書出 『外が暗い。』 かつて住んだ部屋と同じ部屋番号に住みたい、という老作家の願い。『妄想力場の504号室で執筆三昧の暮らしをして行きたい』という夢が叶…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 部屋 2 作者 hayakawaさん3 投稿 18/12/184 書出 『圭介は春香のお見舞いに来ていた。』 トイレをこじ開けてでも別れを告げる彼女の勇ましさというか、決めたことをやり抜く真っ直ぐさが際立った作品でした。 地の文がブツ切りで、情景描写も最低…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 開かずの 2 作者 柴ケンタロウさん3 投稿 18/12/184 書出 『丸山正浩は、同期入社の仲間から「マル」という愛称で呼ばれていた。』 かつていた同僚の部屋で酒盛りをする――お別れのきっかけを掴めないでいた仲間達の姿が印象的でした。 どうして窓…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 ある部屋のつぶやき 2 作者 与井杏汰さん3 投稿 18/12/164 書出 『2月20日』 部屋そのものがSNSで住人の生活を実況するかのような設定が新鮮に感じられました。 部屋が呟いているのか、部屋の『中の人』がいるのか……はっきりとはわかりませんでし…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 内面を愛するマンション 2 作者 黒猫千鶴さん3 投稿 18/12/154 書出 『初めて彼氏が出来た。』 見目麗しい妹との比較に、鬱屈した想いを抱える主人公――幸せの一歩を踏み出したはずが、そうもいかない。 その上、やはり妹の後塵を拝してすらいる。…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 沈む部屋 2 作者 たまさん3 投稿 18/12/134 書出 『ドーム型の背のひくい建物だった。』 地下5階の4号室という設定が今コンテストでは新鮮でした。 深海、というには浅い深さでありながら、人間はこの程度の深さにも耐えられないのだと思うと妙…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 おにぎり 2 作者 再帰樹海さん3 投稿 18/12/124 書出 『おにぎりが食べたかったのですが、あいにく塩がありませんでした。』 平和の象徴のような『おにぎり』とホラー調の展開が混ざり合い、不気味さを膨らませるお話でした。 おばあさんの娘さん…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 504号室が消えた 2 作者 若早称平さん3 投稿 18/12/124 書出 『そのマンションに決めたのは彼の方でした。』 『まさかこんなことになるとは思ってもいませんでした』という王道のプロローグから展開された不気味なお話でした。 必死になる『彼…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 全国定額制提携賃貸契約 2 作者 64GBさん3 投稿 18/12/094 書出 『転勤があるオレにとっては、全国定額制提携賃貸契約は画期的な契約だった。』 主人公のこの後を想像すると恐ろしいとしか言いようのない内容でした。 2DKで5、6人に囲まれる…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

投稿が小康状態に入ったようです。 投稿数は23作品。(削除されてしまったものもありますが……) ここからは中盤戦……いえ、後半戦でしょうか。(テーマが難しいかもしれません) 今のところ、各作品のテーマ(【 504号室 】)の扱い方は以下のとおり。 01. 40…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 頭のおかしい腐った蜜柑2 作者 浅月庵さん3 投稿 18/12/044 書出 『◇』 重犯罪者が集うマンション。 指示通りに住人を強襲する主人公。 恐ろしいお話でした。 『“あの日”』が来るたびに催涙ガスを吸引させられる主人公も大変ですね。 市販のCN…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 うさぎ小屋に名前を2 作者 秋 ひのこさん3 投稿 18/12/044 書出 『アパートやマンションのことを、祖父は「うさぎ小屋」と呼んだ。』 面白かったです。 一戸建て至上主義とでもいうかのような態度の祖父や、表札を掲示しないことを「都会ではそう…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 奇跡の部屋2 作者 W・アーム・スープレックスさん3 投稿 18/12/034 書出 『その攻撃が政府軍のものかそれともテロ集団かは定かではなかった。』 焼け焦げた壁面、熱に溶かされた鉄骨、瓦礫の山々…… そんな中に取り残されたように佇む『504号室』…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 504号室の隣人は幽霊2 作者 吉岡 幸一さん3 投稿 18/12/034 書出 『隣人は幽霊だといったら信じてもらえるだろうか。』 引越し先の隣人が幽霊。 しかも別の部屋の人物に惚れて、想いを伝えられない未練で成仏もできない。 それを代弁してくれと頼…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 504号室のシベリアンハスキー2 作者 marotchさん3 投稿 18/12/014 書出 『今日も会社に行く、当たり前のルーチンに憂鬱な気持ちを抱えながらマンションの扉を開けて外に出る。』 隣人の不意の変身――フランツ・カフカの『変身』を想起させる冒頭な…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 気球2 作者 くまなかさん3 投稿 18/12/014 書出 『極彩色というものは、青空に乗せるとそう目立っても見えない。』 面白かったです。 旅先の感動が、帰宅後のむせ返るような日常の中で色褪せてしまう。何だか共感できるお話でした。それでも、気…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 504号室王国の王子2 作者 繭虫さん3 投稿 18/11/304 書出 『504号室王国。』 面白かったです。 児童書を一頁ずつめくるように進む巧みな話運びが、やや暗めの内容を読みやすくしてくれていると感じました。 一方で、語り部が部屋を『王国』に見立…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 504号室2 作者 六井 象さん3 投稿 18/11/274 書出 『無断欠勤が続いていた同僚のアパートに様子を見に行くと、何もない部屋の真ん中に、枕ほどの大きさの唇がぽつんと落ちていた。』(全文) コンテストテーマとの関連が気になりました。 感想を…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 鉄扉2 作者 六井 象さん3 投稿 18/11/274 書出 『なお、503号室の方は、この回覧板を505号室に回してください。』 タイトルとの関連が気になりました。 上述の書き出しに加えて、『(※504号室の人は剥製です。)』の一行で完結です。作品として面…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 504号室の解2 作者 村沢走さん3 投稿 18/11/234 書出 『「最近、来客が多いわね」』 「5045室」を耳で聞いて、『504号室』と勘違いして訪れる。驚きの謎解きでした。確かに音だけ聞くとどちらかわからないこともありそうです。 その一方で、『頻…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 504号室を抜けて2 作者 村沢走さん3 投稿 18/11/234 書出 『冬扇夏炉に、私は決別した。』 『504号室の呪縛は、もう解けていた。』とありますが、何が呪縛だったのでしょうか。 決して読みやすい文章とは思えませんでした。でも作者様はこういっ…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 ホテルの幽霊2 作者 うたかたさん3 投稿 18/11/234 書出 『「お待たせいたしました。こちらがお部屋の鍵になります」』 訪れたホテルで幽霊少女と邂逅。主人公の視点を丁寧に追うような文章に好感が持てました。 一方で、プロローグ的であるため…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 1008号室2 作者 荒井文法さん3 投稿 18/11/224 書出 『「いらっしゃいませー」』 テンポの良い会話で、マイペースな店員さんのどこからどこまでが『「煙に巻こうと』」していたのかわからなくなりますね。 かぎ括弧の前に空白スペースを入れ…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 超能力青年ヨシオ2 作者 荒井文法さん3 投稿 18/11/224 書出 『決して、彼女のあとをつけていたわけじゃない。』 大学生活を謳歌する主人公が、偶然目にした想い人のピンチを救う。王道らしい展開と朝日の清々しさが心地良い作品でした。 テレポ…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 紅い秋桜2 作者 荒井文法さん3 投稿 18/11/224 書出 『一ヶ月に一度、彼の爪を切ってあげる。』 504号室で繰り広げられる苦悩と再生、新しい物語。今作を拝見して、病院は違えども、同じ部屋番号にそれぞれの歴史があるのだと実感しました。他者…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 え?・・・マジか2 作者 風宮 雅俊さん3 投稿 18/11/224 書出 『「え?・・・マジか」』 エッセイとも日記とも思える文章から、作者様の思考の過程が伝わってきました。『推敲はだいたいこんなところ、あとはファミレス行って書き出せば出来上が…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 決めつけてかかるな2 作者 W・アーム・スープレックスさん3 投稿 18/11/224 書出 『トミオは503号室をノックした。』 面白かったです。 『「503の隣は504だと勝手に決め込んだのだから」』という言葉は確かにそのとおりですね……生き物…