時空モノガタリ-感想録

2000字小説投稿コンテストサイトの「時空モノガタリ」でコメントした内容を記録しています。

いまのひとこと 読まねば

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 防弾スプレー 2 作者 戸松有葉さん3 投稿 19/01/284 書出 『防御こそ最大の軍事力!』 『軍の上官や政府要人は集まっているものの、結局博士から実験結果の報告を待つしかなかった』という場面はきっと現実でもよく見られる状況なのでしょう。現…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 風船のものがたり 2 作者 白*hakuさん3 投稿 19/01/274 書出 『自転車の空気入れで、ぼくは赤い風船を膨らませていた。』 ナイフ少年と同様に、どうして主人公が風船を膨らましているのかわたしも気になりました。 本作は、通り道で赤い風船を膨…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 放課後の音楽室 2 作者 うたかたさん3 投稿 19/01/274 書出 『それは金曜日、校舎中にチャイムが鳴り響く。』 『それよりも大事な誘いがあったから当然断った』とはりきる主人公が、何を予感して音楽室に向かったのかが気になる作品でした。 本作…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 神の指 2 作者 七原 紅音さん3 投稿 19/01/264 書出 『彼女は、一度耳にした曲なら全て正確に弾くことが出来た。』 『全く上達しなかった』、『下手なままだった』、『泣いてばかりいた』と散々な主人公ですが、練習が嫌になって投げ出した、とい…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 ハッシュ 2 作者 村沢走さん3 投稿 19/01/234 書出 『深閑たる平原を抜けると、其処に湖は在って、二人は水上ボートの横に着く。』 『でも勘違いしないでよね。私、ボート乗りたいだけだからね』というセリフに何とも言えない懐かしさを感じまし…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 ドゥ・ジ・エヴォリューション 2 作者 村沢走さん3 投稿 19/01/234 書出 『大食い選手権なんて、出れるだけ凄いと思うが、家の彼女は格が違った。』 『エビチリ四人前を完食しデザートにパフェを食べ』ているものの、食後の会計では『モツ鍋って…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 フィックス・ユー 2 作者 村沢走さん3 投稿 19/01/234 書出 『女だてらに格闘技なんて遣るからには、其れなりの理由が有る筈だった。』 『「違うでしょっ!! 何でっ!! 何でっ!! 分かってくれないの――……っ!!」』という『田中』さんの叫びに…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 最高と最低の休日 2 作者 くまなかさん3 投稿 19/01/234 書出 『「龍二くん、飲み過ぎだって」』 本屋で迷うことなく購入する書籍を選べる『佐奈』さんが羨ましかったです。キャラクターの造形が巧みだと感じました。 正直、引くほどクズクズしい…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 メロンソーダでよろしいですね 2 作者 悠真さん3 投稿 19/01/224 書出 『着々と客を捌く店員。』 面白かったです。 現実にも遭遇しそうな場面とやり取りで、当事者には我慢ならないのに第三者には愉快にすら思える。特に話の後段になって、『「で…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 獣の別名 2 作者 クナリさん3 投稿 19/01/214 書出 『高校二年の十二月。』 条件付きとはいえ任意の対象者の頭を爆散させる超能力は驚きの設定でした。『十数年』の月日を経てもなお『自己申告』でしか罪に問えない社会構造のなかで、ここまで生…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 シャボン玉 ♪♪ 2 作者 風宮 雅俊さん3 投稿 19/01/214 書出 『ストローをシャボン液が垂れないように慎重に口に運ぶと、ゆっくり大きく息を吹き込んだ。』 『凍り付』き、『動けないでい』ながらも、『満面の笑みを浮かべ』られる娘の芯の強さが…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 冤罪のない国 2 作者 戸松有葉さん3 投稿 19/01/214 書出 『「不当逮捕だ! 大使館に連絡しろ!」』 どうしてこの外国人は逮捕されたのでしょう。背景が気になりました。 『冤罪のない世界で唯一の国』として知られる某国――かつて冤罪大国であっ…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 虹色 2 作者 R・ヒラサワさん3 投稿 19/01/214 書出 『虹色をした球体はタケルの手からわずか数十センチの距離で、パッっと弾けて空へと消えた。』 思い描く構図のためには周りが視界に入らない主人公――ある意味では夢見心地のような彼の目を覚…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

今回のテーマは【弾ける】です。 恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、小説・エッセイ等の散文であればスタイルは問いません。体験や事実に基づく必要もありません。 時空モノガタリ賞発表日:2019/03/25 ※同一投稿者からのコンテストページへの投…

【 着地 】の(個人的)傑作選

投稿数58件。予想に反して投稿数の伸びなかったコンテストになりました。 身近に感じるテーマであるゆえに個性を出しづらく感じられたのか、はたまた、季節の寒さゆえか…… 以前のコメントでも触れましたが、コンテスト募集ページのイメージ画像の印象が強か…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 紙飛行機 2 作者 木野 道々草さん3 投稿 19/01/214 書出 『夕食を作っていると、五歳になる娘が犬を飼いたいと言い出した。』 面白かったです。 紙の造形物を魔法や何らかの技法で使役する、という描写は個人的には大変好みです。 ただ、御作のよ…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 落下中着地中 2 作者 mokugyoさん3 投稿 19/01/214 書出 『俺は、青空をどこまでも落下している。』 『質問したら必ず答えてもらえると思うな』。おっしゃるとおりだと思いました。 主人公が青空を落下するところから話が始まります。途中、『空…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 カエルのミドリ 2 作者 壬生乃サルさん3 投稿 19/01/214 書出 『ボク、カエルのミドリ。』 最後の一文に、13階の高さから路面に叩きつけられた太ったアマガエルの凄惨な姿が思い浮かび、思わず身震いしてしまうほどの作品でした。 『……グゥェッ。…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 宇宙からの贈り物 2 作者 冬垣ひなたさん3 投稿 19/01/214 書出 『小惑星探査機『MUSES-C』(ミューゼス・シー)から分離された半円体のカプセルは、蟻が歩くほどの速さで母星へ向けてゆっくり進んでゆく。』 当時の盛り上がりを思い出させてくれ…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 僕は棒高跳びの選手だった 2 作者 青苔さん3 投稿 19/01/214 書出 『呼吸を整え、左足を一歩前へ。』 誰かのことを考えながらジャンプに挑む主人公の熱意が伝わる作品でした。 主人公・僕は棒高跳びの選手であったが、ある怪我をきっかけに競技か…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 祭り 2 作者 田辺 ふみさん3 投稿 19/01/214 書出 『ポーン。』 高価であるらしいバラの花を、残念賞として提供してくれる屋台店員の気前の良さが印象的でした。 『シナノは横向きにロープの上に立つように足をのせた。それから、勢いよくロープ…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 ハルタ、街へ行く 2 作者 宮下 倖さん3 投稿 19/01/214 書出 『旅立ちの時は来た。』 誰かにとっての特別になりたいという想いを抱いた旅立ち――ロードムービーの醍醐味ですね。とはいえ、無条件に必要とされる場面にはなかなか出会わないのが常で…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 そらをとぶもの 2 作者 森音藍斗さん3 投稿 19/01/214 書出 『おおきくなったら鳥になりたくて、でもなれないから飛行機に乗ったんだ。』 妥協した結果としてのパイロット……とでも言うかのような冒頭に対して、『鳥に生まれずここに座っているこ…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 人生の階段 2 作者 秋 ひのこさん3 投稿 19/01/214 書出 『僕は人生とは登るのではなく、降りるに近いと思うのだ。』 面白かったです。 『達成とは着地』という考え方が興味深かったです。『勇気を出してひょいと身を投げ、歯を食いしばって着地…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 足枷同盟 2 作者 小高まあなさん3 投稿 19/01/204 書出 『三十代後半。』 面白かったです。 部屋の中を5cm浮いた状態で移動するのは大変そうだと感じました。 『歩いても進まないので、家具に捕まりつつ、手で進む。』とあるので、手が何にも届…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 日常百合は虚構なのか 2 作者 戸松有葉さん3 投稿 19/01/204 書出 『「チョコメロンパンって、絶対おかしいと思うわけよ。元々メロン要素少なかったメロンパンなのに、チョコ味で実物のチョコも入っていて、色もチョコレートだったら、これはもう…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 着地地点を設けない星 2 作者 笹岡 拓也さん3 投稿 19/01/204 書出 『Mr.ホースは怒っていた。』 念願が叶ったかと思ったら予想外の展開。 主人公達の失望を思うと切なくなります。 彼らを地球から呼びつけていたのは一体誰だったのでしょうね。 …

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 ウサギと面倒くさいカメ 2 作者 naokitiさん3 投稿 19/01/204 書出 『気温に敏感な俺は、春になると嫌でも目が覚める。』 子々孫々にいたるまで勝負を挑む、というウサギの覚悟がどこか清々しく感じられる作品でした。 家族が出てきたので『リー…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 サトルの恋と重力の関係 2 作者 実さん3 投稿 19/01/204 書出 『サトルがジャンプしたのもつかの間地面はどんどんと遠ざかってしまった。』 『宇宙から重力が奪われてしまったようなのだ』という驚きの設定が目を引きました。 コンテストテーマと…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 向日葵の風船 2 作者 野々小花さん3 投稿 19/01/204 書出 『高校生になったばかりの今の私の生活は、平穏そのものだ。』 とても面白かったです。 甘えるのが苦手な主人公が両親の離婚に際して、より一層、自己の拠り所に覚束なさを感じる……そんな…