時空モノガタリ-感想録

2000字小説投稿コンテストサイトの「時空モノガタリ」でコメントした内容を記録しています。

いまのひとこと 読まねば

第163回【504号室】

【 504号室 】の(個人的)傑作選

時空モノガタリさんのホームページにあるとおり、『作品たちはテーマ(お題)に沿うことで、評価されやすくなる』という点に重点を置きたいと思っています。(それでも個人の好みが反映されてしまいますが……) ですので、コンテストテーマを大切にされていな…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 みゆき荘504号室の住人 2 作者 野々小花さん3 投稿 18/12/244 書出 『幼少期に発症した吃音症に、高校二年生になった今でも悩まされている。』 部屋番号と誕生日を繋げられた発想に感心させられました。 ……非常に個人的な感想で恐縮ですが、精…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 ヒルベルト・ホテル 2 作者 青苔さん3 投稿 18/12/244 書出 『「……ここか」』 『504』というコンテストテーマの数字を活かされようとされた姿勢に敬意を表したくコメントさせていただきます。 また、トリボナッチ、フィボナッチ、テトラナッチと…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 別れの夜 2 作者 悠真さん3 投稿 18/12/244 書出 『夜になって目を覚ますと、正一が荷物整理をしていた。』 面白かったです。 (※ただ、504号室というコンテストテーマはあまり関係ありませんでした。【別れ】、【同居人】、【置き土産】でしょう…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 「-1」の祝福 2 作者 谷流鳩都さん3 投稿 18/12/244 書出 『「504号室利用いただいた高林様、本日はおめでとうございます!!あなたに-1をプレゼントします!!良かったですね!!」』 53歳にして小学校の頃の同級生を瞬時に思い出せる主人公…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 君のスマホになりたい! 2 作者 南野モリコさん3 投稿 18/12/234 書出 『「メリー・クリスマス。今年もお世話になるよ」』 『直径3センチほどの丸い穴。それは、ある女の子の携帯電話に繋がっていたのだ』という文章に想像が膨らみました。 『穴…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 滲み出る 2 作者 待井小雨さん3 投稿 18/12/234 書出 『母は体調を崩すと体臭にあらわれた。』 面白かったです。 (※テーマとは少し違う気がします。【家族】か【におい】でしょうか……) それぞれが「拒絶」という一方的な立場にあるようでいて、…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 チーム4 2 作者 宮下 倖さん3 投稿 18/12/234 書出 『十歳のころ、おれが住んでいたのは古いマンションだった。』 マンションの部屋番号で班を割り振るという設定になるほどと感心しました。 コンテストテーマに真摯に取り組まれた姿勢が素晴らし…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 母の病室 2 作者 悠真さん3 投稿 18/12/234 書出 『5階の案内板を隅から隅まで確認した結果、その場に立ち尽くすしかなかった。』 面白かったです。 読み始めはナースステーションにでも行けばいいのに、と軽く考えていたのですが、非常階段で『…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 故郷 2 作者 hayakawaさん3 投稿 18/12/234 書出 『少年は森の奥地で生まれた。』 『僕たちここでずっと生きていくんですかね?』というところで、ああそうだったんだ、と驚きました。 ワイドショーで入管法や移民問題がかしましい昨今にあって、…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 余計な気遣い 2 作者 つつい つつさん3 投稿 18/12/224 書出 『アルバイトから帰ると、部屋の中に六、七歳くらいの男の子がいた。』 『僕が気に入って住んだだけで、その家の人がなんの努力もしていないのに繁栄するのって、それでいいのかなって…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 隣人よ、電波を飛ばせ 2 作者 三明治さん3 投稿 18/12/224 書出 『(ぼちぼちはじめよう)』 まさに『電波』を感じさせる作品でした。 個人的に苦手とする作品でした。 他者に伝える努力を放棄しているのでは……とも思いましたが、単純に構想を練…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 不思議の部屋のアリス 2 作者 田辺 ふみさん3 投稿 18/12/224 書出 『ママはイライラしている。』 面白かったです。 主人公の語り口のテンポが好みでした。 どこか冷めた物の考え方をしているので、初めは高校生くらいかと思っていたのですがもっ…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 殺し屋が住んでいる 2 作者 笹岡 拓也さん3 投稿 18/12/224 書出 『「ねぇ聞いたんだけど知ってるか?」』 文字にすると本当に馬鹿馬鹿しいとすら思える噂話に盛り上がることができるのは、子どもか酔っ払いの特権かもしれません。 小学生らしい…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 約束 2 作者 村沢走さん3 投稿 18/12/214 書出 『「大人になったら504号室に住むんだ」と言っていた。』 懐かしさからマンションに足繁く通い、呼び鈴まで鳴らす主人公の行動力に驚かされました。 主人公と、主人公を想うヒロインと、主人公が憧…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 504号室の君 2 作者 村沢走さん3 投稿 18/12/214 書出 『運命的な出会いを信じてはいた。』 登場人物達のセリフと、地の文の独特な言い回しが相まって、不思議な作品でした。 主人公と、主人公を想うヒロインと、主人公が恋するお嬢様、という「…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 504号室を抜けて 2 作者 村沢走さん3 投稿 18/12/214 書出 『冬扇夏炉に、私は決別した。』 『504号室の呪縛は、もう解けていた』とありますが、何が呪縛だったのでしょうか。 →12/4に当サイトで既に取り上げた作品をちょろーっと書き換えた作品…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 天国へ続くカフェ――504号室の秘密 2 作者 文月めぐさん3 投稿 18/12/214 書出 『「4」という数字がつくだけで縁起が悪いと思われてしまう。』 コンテストテーマを活かされた内容で面白かったです。 カフェの立地的にはなかなか立ち寄りづらい場所…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 兄ちゃんとぼく 2 作者 naokitiさん3 投稿 18/12/204 書出 『「はあ、お腹がすいた。それに痛い、寒い」』 ひ弱であるがゆえに『兄ちゃん』に助けられ、ひとたび傷を負えば、『人間の女の子』や『大人の女の人』に助けられることでしか生きていく…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 IP NOISE 2 作者 マサフトさん3 投稿 18/12/204 書出 『薄暗い牢獄のような部屋。』 闇から現れ、闇に去る―― 誰かを連れ去るなら『電車』であるに違いないという作者様の美学を感じました。 『504 Gateway Timeout』を扱う作品がきっとあるだろう…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 お勧めの事故物件 2 作者 吉岡 幸一さん3 投稿 18/12/204 書出 『「それなら、半年間家賃無料の物件があります。お安いマンションをお探しでしたらお勧めですけど」』 ほどよいマイナス情報はかえって消費者を安心させるそうですが、まさにそのと…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 シシャモの帰る部屋 2 作者 入江弥彦さん3 投稿 18/12/204 書出 『部屋番号は504がいいの。』 『シシャモに搭載された唯一の音声を聞くために門限を破ったことが何度かある』という箇所が素敵でした。 彷徨い続ける子守ロボットを迎えたいと願う…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 ツイスミ不動産 物件5: 504号室アパート 2 作者 鮎風 遊さん3 投稿 18/12/194 書出 『外が暗い。』 かつて住んだ部屋と同じ部屋番号に住みたい、という老作家の願い。『妄想力場の504号室で執筆三昧の暮らしをして行きたい』という夢が叶…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 部屋 2 作者 hayakawaさん3 投稿 18/12/184 書出 『圭介は春香のお見舞いに来ていた。』 トイレをこじ開けてでも別れを告げる彼女の勇ましさというか、決めたことをやり抜く真っ直ぐさが際立った作品でした。 地の文がブツ切りで、情景描写も最低…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 開かずの 2 作者 柴ケンタロウさん3 投稿 18/12/184 書出 『丸山正浩は、同期入社の仲間から「マル」という愛称で呼ばれていた。』 かつていた同僚の部屋で酒盛りをする――お別れのきっかけを掴めないでいた仲間達の姿が印象的でした。 どうして窓…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 ある部屋のつぶやき 2 作者 与井杏汰さん3 投稿 18/12/164 書出 『2月20日』 部屋そのものがSNSで住人の生活を実況するかのような設定が新鮮に感じられました。 部屋が呟いているのか、部屋の『中の人』がいるのか……はっきりとはわかりませんでし…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 内面を愛するマンション 2 作者 黒猫千鶴さん3 投稿 18/12/154 書出 『初めて彼氏が出来た。』 見目麗しい妹との比較に、鬱屈した想いを抱える主人公――幸せの一歩を踏み出したはずが、そうもいかない。 その上、やはり妹の後塵を拝してすらいる。…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 沈む部屋 2 作者 たまさん3 投稿 18/12/134 書出 『ドーム型の背のひくい建物だった。』 地下5階の4号室という設定が今コンテストでは新鮮でした。 深海、というには浅い深さでありながら、人間はこの程度の深さにも耐えられないのだと思うと妙…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 おにぎり 2 作者 再帰樹海さん3 投稿 18/12/124 書出 『おにぎりが食べたかったのですが、あいにく塩がありませんでした。』 平和の象徴のような『おにぎり』とホラー調の展開が混ざり合い、不気味さを膨らませるお話でした。 おばあさんの娘さん…

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 504号室が消えた 2 作者 若早称平さん3 投稿 18/12/124 書出 『そのマンションに決めたのは彼の方でした。』 『まさかこんなことになるとは思ってもいませんでした』という王道のプロローグから展開された不気味なお話でした。 必死になる『彼…