時空モノガタリ-感想録

2000字小説投稿コンテストサイトの「時空モノガタリ」でコメントした内容を記録しています。

いまのひとこと 読まねば

第165回【弾ける】

【弾ける】の個人的傑作選(タイトル・冒頭)

作品全体だけでなく、個人的に好みだったタイトルと書き出しをメモしておこうと思います。本当は、セリフと登場人物もやりたいんですけど……収拾つかなくなりそうですからね…… ダラダラと列挙しても仕方がないので、上位5作品を順不同で載せます。 このよう…

【弾ける】の個人的傑作選

投稿数58件。弾けていない件数にも思えますが、重要なのは件数じゃないと思いますよ。ええ本当に。じゃあ、何が重要なのか? わたしが好きになれる作品があるかどうかですよ。ええ! 自分勝手ですみません! やはり、コンテスト募集ページ画像のイメージが強…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 弾ける笑顔の埠頭にて 2 作者 mokugyoさん3 投稿 19/02/184 書出 『映画館の前で、弾けるような笑顔で君が待っていたんだ。』 『何がそんなに楽しいのかと思うほどに』、『終始楽しそうに笑ってい』る彼女の態度も、実際のところ主人公を歯牙にも…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 感情☆ドロップ 2 作者 ぐりのぐりこさん3 投稿 19/02/184 書出 『粉々に砕けた。』 自分に少しでも関心を持ってほしいと空回りする主人公でしたが、それでも疎遠にならないでいてくれた『彼女』はきっと親友であったのでしょう。他者の感情が目に…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 シャボン玉、はじけた 2 作者 青苔さん3 投稿 19/02/184 書出 『シャボン玉が、昔から好きだった。』 『お菓子や甘い飲み物』を恋しく思いながらも、砂糖を使って作るのはシャボン液というところに主人公が真に望むものを垣間見させる構成が素敵…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 サイダーガール(ズ) 2 作者 北 流亡さん3 投稿 19/02/184 書出 『トラックが、朱に染まり始めていた。』 部活終わりの心許ない空気感が季節の描写と相まって巧みに表現されていると感じました。『「陸上に命を賭ける」』という学生らしいノリと…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 雑草の実がはぜるように、生きてみたい 2 作者 冬垣ひなたさん3 投稿 19/02/184 書出 『午後の寒空には、粉雪がちらつき始める。』 家族にきちんと配慮する主人公の姿勢に好感が持てました。外の世界に希望を感じる勢いも相まって、カタバミの花…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 夏よ終わらないで 2 作者 糸井翼さん3 投稿 19/02/184 書出 『「ねー、七瀬はそれでいいの?」』 王道に感じられる高校生の青春で、各場面の切り替えが掴みやすい作品でした。現状維持を選択した主人公の判断が、『誰に対してもかっこいい山田く…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 Frajile 2 作者 みやさん3 投稿 19/02/184 書出 『キッチンで朝食の用意をしていると、十三歳の息子が二階から降りてきた。』 生死をコントロールするためには、きっと感情を越えていかなければならないのだろう、と感じさせる内容でした。死に純…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 スプリング ハズ カム 2 作者 そらの珊瑚さん3 投稿 19/02/184 書出 『ここにいると季節がない。』 重力を振り切って遠くに来たはずなのに、酸素が薄くて息苦しい……四季のない世界に弾き出されたような主人公の孤独が印象的でした。 ◎あらすじ 本…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 芸の為なら 2 作者 高月雫さん3 投稿 19/02/184 書出 『大手得意先のA社の社長は、一見ヤクザのような風貌をしている。』 職場の上司とも取引先とも食事をしなければならない『秘書室ご一行様』の大変さが垣間見えました。また、感嘆符多めの構成…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 エナジードリンク「弾ける」 2 作者 小高まあなさん3 投稿 19/02/184 書出 『テンションをあげることが苦手だ。』 面白かったです。 楽しかったことを認めながらも、寿命を縮めるかのような動悸と疲労感に包まれる主人公の姿に圧倒されるほどのリ…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 復讐の板チョコ 2 作者 霜月 秋旻さん3 投稿 19/02/184 書出 『この高校一のイケメン教師と言われている速水ともみち。』 想像するだけで思わず自分の歯が痛くなるような内容でした。抱いた怨みを溜め込まずに、1か月で復讐してみせたトモカさん…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 いつか爆ぜた心 2 作者 野々小花さん3 投稿 19/02/174 書出 『午後の授業を終えた教室は解放感に満ちている。』 面白かったです。 特に担任教諭が杉里さんの肩を叩いたのを目にして『思わずひやりとした』という主人公の感想に臨場感があると思い…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 おばあちゃんが教えてくれたおはじき 2 作者 戸松有葉さん3 投稿 19/02/174 書出 『親戚一同からは「おばあちゃん」と呼ばれているが、厳密には子供らの祖母ではない。』 面白かったです。 大仰な芝居がかった緊迫感も、『スマホアプリゲー』を飽…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 手花火オフィス 2 作者 アシタバさん3 投稿 19/02/174 書出 『日付が変わったというのに二人の社員が職場に残って残業と格闘を続けていた。』 深夜のオフィスで男女の同僚が向かい合って小さな光にはしゃいでいる、という場景が非常に好みでした…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 午後の魔法使いたち 2 作者 たまさん3 投稿 19/02/174 書出 『その子はいつも目を閉じて本を読むのだった。』 思わず首を捻ってしまうような症状を前にして、ひるみながらも投げ出さない主人公の意気込みが感じられました。利用者を満足させるレ…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 僕の恋は苦み100% 2 作者 ドーンヒルさん3 投稿 19/02/164 書出 『三番ホームは折り返しの下り列車を待つ人でごった返していた。』 スマートフォンの使いすぎに不安を募らせる主人公が、彼女の頭の大きさを冷静に見つめている姿が恐かったです。…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 未確認生物――弾けて、ヤツは、どこ行った 2 作者 鮎風 遊さん3 投稿 19/02/164 書出 『ゴールデンウィーク間近、私はこの長い休暇をどう過ごそうかと安アパートで一人思案にふけっていました。』 予想もできない展開でした。 ◎あらすじ ……主人公…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 じいちゃん、はじける 2 作者 田辺 ふみさん3 投稿 19/02/164 書出 『「なんだ、これ?」』 祖父に付き合う主人公と、若々しい祖父が興味深い作品でした。 ◎あらすじ 祖母の死後、独居を続ける祖父を慮った主人公がある日家を訪ねて、祖父が社交…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 炭酸使いのMくん 2 作者 待井小雨さん3 投稿 19/02/154 書出 『「僕には炭酸飲料の泡を操る力がある」とクラスの地味男子・Mくんが言った時、誰もが何言ってんだコイツ、と思った。』 注目してほしい、特別に見られたい、他者の記憶に残りたい、…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 膨らんじゃった絶望 2 作者 繭虫さん3 投稿 19/02/154 書出 『「クラスの男子、全員殺そう。」』 面白かったです。 話の締め括り方を特に評価したいです。過激派発言で始まって、よくわからないまま読み進めたのですが、その熱情の根源が何である…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 恥を蹴ろ! 2 作者 ササオカタクヤさん3 投稿 19/02/144 書出 『昔じいちゃんが僕に教えてくれた「恥を蹴ろ」という言葉。』 『じいちゃん』の言葉を素直に受け入れて、前向きであろうとする主人公の元気さが眩しい作品でした。また、学校の文化…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 硝子の心に爆弾発言 2 作者 蒼樹里緒さん3 投稿 19/02/134 書出 『ごく稀に、成長途中で心が硝子化する人間が生まれる。』 「心の耐久度」のようなものが可視化されているというのはゾッとする設定でした。他者を排除してでも友人を独占したい、…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 爆発ピアノ 2 作者 腹時計さん3 投稿 19/02/134 書出 『結婚なんて、死んでもしたくないなあと、ココロの中で思っている。』 日々、両親の不和を目の当たりにして結婚生活の意義を見失う、という悲しい状況が主人公の視線を通して熱を持って描か…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 モテバブル崩壊 2 作者 若早称平さん3 投稿 19/02/134 書出 『校門をくぐるその瞬間に、彼は無言で私に手紙を押し付けてそのまま走り去っていった。』 赤面症が可愛らしい主人公の翻弄される様子は気の毒なようであり、一方でそれもまた愛嬌があ…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 雨つぶ 2 作者 吉岡幸一さん3 投稿 19/02/134 書出 『午後になってようやく雨があがった。』 面白かったです。 雨上がりの庭先を丁寧かつ静かに描写された巧みさに唸りました。雨垂れが溜まることに意義を求めるように、じっとみつめる主人公。そ…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 炭酸飲料飲んでくれない! 2 作者 ササオカタクヤさん3 投稿 19/02/114 書出 『こんなチャンスこれから何度訪れるか!』 『この時間が未来永劫続いてくれるなら、僕はいくらでも自動販売機に足を運んで君に飲み物を与え続けたい』という箇所から…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 しょうらいのゆめ 2 作者 つつい つつさん3 投稿 19/02/104 書出 『頭からふとんを被り、縮こまっていた。』 その日を切り抜けることしか考えられない状況に追い込まれた主人公の思考が装飾なく描かれていると感じました。また、パンパンに膨れて…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 雨 2 作者 ひーろさん3 投稿 19/02/104 書出 『「わたし、雨が大っ嫌いなの」』 自分勝手のように振る舞いながらも優しさが滲む彼女の態度が魅力的でした。また、彼女の不機嫌さの理由に行き着いた主人公の洞察力に感心しました。 ◎ざっくりとあ…