時空モノガタリ-感想録

2000字小説投稿コンテストサイトの「時空モノガタリ」でコメントした内容を記録しています。

いまのひとこと 読まねば

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 気球
2 作者 くまなかさん
3 投稿 18/12/01
4 書出 『極彩色というものは、青空に乗せるとそう目立っても見えない。』

 

面白かったです。

 

旅先の感動が、帰宅後のむせ返るような日常の中で色褪せてしまう。
何だか共感できるお話でした。それでも、気球と同じように地上を離れ、空色のカーテンを前にした主人公が『極彩色』を飲み込むように、日常の極端さを意識的に馴染ませていく姿はいじらしくもあり素敵でした。

 

一方で、主人公の回想……というか心象風景でもある『青空』と現実の描写が入り乱れていて、場面転換が追いづらくも感じました。