第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】
1 題名
おにぎり
2 作者 再帰樹海さん
3 投稿 18/12/12
4 書出 『おにぎりが食べたかったのですが、あいにく塩がありませんでした。』
平和の象徴のような『おにぎり』とホラー調の展開が混ざり合い、不気味さを膨らませるお話でした。
おばあさんの娘さんが死んでからもマンションは引き払われていないのがまた恐いですね。
『独身の女が死んだらしい』、『あのこに見つかったら、ウチ死ぬねん』、『離婚してから引きこもるようになり、ついに餓死してしまった』などのホラー要素の情報が錯綜していて短編であるのに一貫性が感じられませんでした……
正直なところ恐い顔のこけしよりも、『「どなただったかしら」』と訝る相手を自宅にお招きした上におにぎりを振舞って『「そんでさぁ」』とか気さくに話しかけている主人公こそ恐い気がしました。
(気になって気になって……というメモ)
□二重山括弧の意図が掴みづらい。
□中途半端な改行の意図するところとは? 縦書き?
□『うわさによると、例のマンションの5階の一室で独身の女が死んだらしい。』
→『例の』とは?
□『市民センターのヘルパー』
→?
□『突然・真顔』、『「ア・こんにちわ」』、『うわさをすればシンクロするのだろうか・あのヘルパーと偶然例の、マンションの前で再会した。』、『見るに見かねて・彼女のヘルパー魂に火をつけてしまった』、『ところでナゼ《おにぎり》って言うか知ってますか・と彼女に問いかけた』、『数回・回転すると』
→『・』(中黒)の意味が不明
□『「こんにちわ」』
→こんにちわ、て……
□『うわさをすればシンクロする』
→シンクロ?
□『「先日はどうも」。「ええっと、マンションから出てこられたようなんですが、ここにお住まいになってらっしゃるんですか」。』
→『「どなただったかしら」』に『「先日はどうも」』はないんじゃないかと。ついでに言うと、セリフの書き方がわかりにくい。
□『「なんだか顔色が悪いようですが。よかったらウチに行きましょう。もう5分ほどのとこです。お茶ぐらいは出せますので」。「いやぁ、築40年ほどのボロ屋ですけど、まだ雨漏りもひどくない」。』
→?
□『「いいえ、しらない」と、彼女は鬼の形相でおにぎりにかぶりつく…』
→駄洒落?
□『「オニのクビを切って食べた、と言う武将の武勇伝から派生して出来た言葉らしいけどね」。「そんでさぁ、言いにくい事だったら言わなくてもいいんだけど、あのマンションに何の用で行ってたのか、よかったら話聞かせてよ」。』
→セリフの書き方がわかりにくい。
□『カバンの中からおもむろに《マイ水筒》を取り出し、「ゴクゴク」と爽快にのどを鳴らし飲み干した。』
→?
□『それで帰ろうとしたとき、「ギーッ」とドアが少しあいた。閉めるついでにベッドに目が移った。誰もいないベッドの上に人形らしきものが浮かんでいて、それにはアタマが付いていない…』
→何のドア? 人形(こけしではない)?
□『闇を切り裂き「ミーツケタ」と言う声がする…』
→『闇』はどこから出てきた? 『闇』はこの場面で必要ある? 趣味?