時空モノガタリ-感想録

2000字小説投稿コンテストサイトの「時空モノガタリ」でコメントした内容を記録しています。

いまのひとこと 読まねば

第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】

1 題名 

故郷

2 作者 hayakawaさん
3 投稿 18/12/23
4 書出 『少年は森の奥地で生まれた。』

 

 

『僕たちここでずっと生きていくんですかね?』というところで、ああそうだったんだ、と驚きました。

 

ワイドショーで入管法移民問題がかしましい昨今にあって、本作を描くための材料は本当に大量に巷に転がっていることでしょう。

だからこそ、オリジナリティが重要視されるのだろうと思います。

 

それは緻密な取材に基づいた知られざる真実であったり、知っていたのに深くは考えたことがない事実であったりするのでしょうが、本作はそのどちらでもないように感じました。(おそらく『東洋経済』や『Wedge』のルポの方がモノガタリ性を感じることでしょう)

 

 

<気になったメモ>

◎『彼は中国人の女性だった』

 

◎『「初めまして」と少年は言った。
「初めまして」
「日本は初めてですか?」
「ええ。ここからすぐ側の日本語の学校に通っています」
「そうですか。私はこの国で中華料理を作っています」
「へえ。凄いですね。今度食べにいきますよ」
「あなた日本語が上手ね」
「ありがとうございます」』

 →『「初めまして」』が少年の挨拶で、女性も「はじめまして」と応じたとするとセリフの順番がおかしくないですか?

 

◎『少年は持っていたパソコンで、それも日本製だったが、プログラミングについて知っていた』

 →冒頭の『森の奥地』といい、言葉の選択というか、背景設定が雑に感じられます。

 

◎『少年は日本語学校の入学式の日まで一生懸命バイトし』

 →『ここからすぐ側の日本語の学校に通っています』っておっしゃっていたのに……