時空モノガタリ-感想録

2000字小説投稿コンテストサイトの「時空モノガタリ」でコメントした内容を記録しています。

いまのひとこと 読まねば

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 

地雷。そして、託された希望

2 作者 風宮 雅俊さん
3 投稿 18/12/24
4 書出 『カチ』

 

 

地雷の恐怖というものは筆舌に尽くしがたいことでしょう……

起爆方式が御作のように圧力解除式であることは稀でしょうから、気づいたら足がない、ということが実際なのでしょうが、本当に恐ろしいです。

語り部の悔しさが伝わってきました。


『幅五百メートルの地雷原は国際社会には国防を謳っているが住民が逃げ出さないようにするために敷設したものだ』、『留学生の両親が音信不通になった。両親を探しに帰国したら彼も音信不通になった』、『足を失った子供に託された』、『死にしか希望を見いだせない彼ら』など、相当な背景を感じさせます。

『このフィルムに収めた真実が何万人もの命を救う』という真実を私も知ってみたいと感じました。

 

 

文章がわかりづらかったです。

特に『この土地の噂は以前から囁かれていた。その土地の留学生の両親が音信不通になった。両親を探しに帰国したら彼も音信不通になった。隣国の貿易商が逮捕された。新区画には別の言語の看板が並んでいる。旧地区が開発目的で破壊され住民が行方不明になっている。』という箇所。

作者様の頭の中には明確な『この土地』のイメージ(というか設定。コメントのご様子からすると新疆ウイグル自治区に興味があるようです)があり、その不穏さを強調するために数々の噂を列挙しているのでしょうが、何もない状態で上記の文章を読んで理解できるのか疑問です。

 

付け加えて、冒頭の地雷の解説も何だか中途半端に感じられました。(『今の時代は鉄条網など必要なくなった』という一文に、「鉄条網は現役では」とコメントしたかったのですが、『今の時代』がいつなのかわからないのでコメントを差し控えました……)

 

……とても個人的なのことなのですが『先進国の安全の中での覚悟なんてこの程度なのかもしれない』というような、先進国=安全=生ぬるい覚悟、というステレオタイプがどうも苦手です。

 

(以下、気になったメモ)

◎『「大切な友人を失う俺たちの気持ちを考えて事があるのか」』