時空モノガタリ-感想録

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いまのひとこと 読まねば

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 

防弾スプレー

2 作者 戸松有葉さん
3 投稿 19/01/28
4 書出 『防御こそ最大の軍事力!』

『軍の上官や政府要人は集まっているものの、結局博士から実験結果の報告を待つしかなかった』という場面はきっと現実でもよく見られる状況なのでしょう。現場にいながらも、なかなかに焦れる瞬間ですね。

 

本作は、他国にとって「脅威」と認識されないように軍備を整えるには、まず絶対的な防衛力だ! を主眼として、散布するだけで核ミサイルを弾き返すスプレーが開発され、その実験をしたところ被験者は全員死ぬ、というお話です。

 

設定も文章も色々と不思議な作品でした。頭の中で考えたことをメモ書きするとこういう文章になるかもしれません。

 

コンテストテーマの【弾ける】を「弾くことができる」と解釈された点が興味深かったです。

 

(気になった文章などなど)

『防御こそ最大の軍事力!』

 →防御、て軍事力なんでしょうか? 戦闘行動? 防衛力?

『攻撃力を突き詰めても、強過ぎて戦略兵器としての役割になってしまい、使用はできない。』

 →?

『攻撃は先制で行わねば国民を守れない』

 →?

『パワーバランスを崩す懸念で反発されるものはある』

 →懸念、の使い方が疑問です。

『攻撃をそもそも受けないようにし、一方的に攻撃できる状態になるかが判断の分かれ目』

 →なんの判断ですか?

・『攻撃は受ける、ただし被害なくやり過ごせる技術があれば、どうなるだろうか。無敵なのだから一方的に攻撃できる状態だが、相手からの攻撃を受けはするため、他国を錯覚させられるという算段だ。』

 →何を錯覚させるんでしょうか? まさか「うちの攻撃が当たってる。相手の損耗率はわからないけど、当たればいいや」ということではないですよね? 雪合戦でももう少し考えるでしょう。

『たとえ核ミサイルが直撃しても弾けるのです』、『人間を伴わない実験では、防弾スプレーの効果は実証済み』、『博士は悠々とした態度で姿を現し、結果を告げた。「大成功です」』、『防弾スプレーは完全に成功しており、核ミサイルを弾き切っていました』

 →『被害なくやり過ごせる技術』の開発をしていたんですよね? 『防弾スプレー』の効果実験ではなくて。まさか過程を見ないで、核を使って最終実験なんてやらないと思うのですが……どれだけお金が有り余ってるんでしょうか……

『映像・音声でも訳がわからない』、『被験者の部下は誰もいない』、『しかし彼らは倒れているようだが? さすがに恐怖で失神でもしたか』

 →……上官は一体、何を見ているんですか? 千里眼