第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】
1 題名
兄ちゃんとぼく
2 作者 naokitiさん
3 投稿 18/12/20
4 書出 『「はあ、お腹がすいた。それに痛い、寒い」』
ひ弱であるがゆえに『兄ちゃん』に助けられ、ひとたび傷を負えば、『人間の女の子』や『大人の女の人』に助けられることでしか生きていくことができない主人公『ぼく』の無力さを強く感じました。
『ひとり立ち』したとはいえ、無自覚の幼さのなかに身をおく彼がいつか本当の意味で自立するときがくるのかもしれません。
地の文が雑に感じられました。もっと丁寧に描写していただきたい。
ついでに言うと、作者様はどれほど猫を観察されて本作を執筆されたのか甚だ疑問でもあります。『飛びかからんばかりに毛を逆立て』た猫の鳴き声を『「にゃおー!」』で済ますあたりにあまり、こだわりのない方のかしら、という気持ちが湧きました。