時空モノガタリ-感想録

2000字小説投稿コンテストサイトの「時空モノガタリ」でコメントした内容を記録しています。

いまのひとこと 読まねば

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 

上だけの世界 ~いつ着地するのか?~

2 作者 とむなおさん
3 投稿 19/01/15
4 書出 『ウツウツ……とした気分で、僕は目を開けた。』

 

謎の踊り場。

不気味な黒いドア。

反転した世界に生きるチャーミングな女性。

黒スーツ姿のガイノイド

そして主人公の転落――

各要素が次々に登場する展開が興味深かったです。

 

 

……どういう作品なのか何度読んでもわからなかったです。本当に残念です。

ぼんやりと『サカサマのパテマ』(映画,監督:吉浦康裕,アスミック・エース,2013.)を思い出しました。あの作品もパッと見はわからなかったですね。最終的には好きな作品になりましたけど。

 

(文章が…内容が…気になってしまうんだなあ……)

◎冒頭の謎改行

 

『僕は』、『僕も』、『僕に』などの『僕』連呼

 

『そのまま視線を外にやると、』

 →『外』を、ほか、と読ませてるんでしょうか? そと、じゃないですよね。『どこかの建物の外に設置された階段の踊り場に倒れていた。』て書いてありますし…

『次に真下を見ると、雲海のように遥か遠くまで雲がつづいている。』

 →『真下』ではないんですよね? 『建物の壁をはうように、僕は体を起こし』ているわけですから。加えて『雲海のように遥か遠くまで雲がつづいている。』というのは、『雲海のように』というか、雲海そのものじゃないですか?

『普通の青空が広がっていた。』

 →これは「普通においしい」とか「普通にかわいい」みたいな、謎の普通表現でしょうか……

『「で、どうすればいいの?」
「そのまま、こっちに倒れるんだよ」
「ダメ、手がもたない……。落ちるー! 助けてー!」
 そのまま彼女は、僕から見て真上の空へと、吸い込まれるように行ってしまった。
「キャ――!!」』

 →覗き込む、とかではなく『手擦りは無い』踊り場にぶら下がる唐突さが疑問。蛇足ですが、一人の人間の生死すら左右しそうな場面であるのに全く緊迫感がないことが、恐い。

『 すると、しばくして上の階の黒いドアが開き、黒いスーツ姿で長髪の人物が現れ、僕に近付きながら、
「よくやったわね」
「あっ、誰だ……? 女か……?」』

 →主人公がさっきから性別ばかり気にしてますね。

『 アンドロイドの女と共に上の踊り場まで行き、アンドロイドの女がドアを開けると、中から、
「もうすぐ、モルモットが来るわよ」』

 →これは誰のセリフですか?