第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】
1 題名 頭のおかしい腐った蜜柑
2 作者 浅月庵さん
3 投稿 18/12/04
4 書出 『◇』
重犯罪者が集うマンション。
指示通りに住人を強襲する主人公。
恐ろしいお話でした。
『“あの日”』が来るたびに催涙ガスを吸引させられる主人公も大変ですね。
市販のCNガスでも気絶はしないそうなので、きっとより強力なガスなのでしょう。
催眠でなく、催涙であるところに主謀者側の異常さを感じます。
また、『この10階建てマンションに各階部屋は横並びで7つ。その丁度、天地左右中心』とあることから、もう一つの中心でもある604号室にも主人公のような役割の人物が住んでいるのかと思うとやはりぞっとします。
設定に無理を感じます。
口腔における吸収率の高さ、催涙ガスの使用、刺殺描写の安易さ等、引っかかる箇所が多く、作品の内容に素直に入り込めません。
『俺は処刑人であると同時に、遺族たちの胸をスカッとさせる救済人でもあるのだ』と堂々と宣言しているものの、それを裏付けるような描写が不十分で、あまり納得がいきません。