第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】
1 題名
深淵への旅
2 作者 マサフトさん
3 投稿 18/12/31
4 書出 『“これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である”』
個人的に「しんかい6500」のドキュメンタリーが好きなので楽しく読ませていただきました。
「しんかい12000」もかたちになると良いですね。
御作の潜水調査船は何人乗り設定なのかわかりませんでしたが、深く思考する主人公のみが描かれたことで大変窮屈な船内を想像できました。
終盤まで、あえて海底である描写を省かれていることは理解できますが、それで本作が読者の関心を引いているかというのは疑問です。むしろ、潜水航行中であることを主軸に置いたほうが面白かったのではないかと思います。
また、野暮な話ではありますが、潜水調査そのものの興味深さは伝わらなかったことが大変残念です。本作の語り部が、パイロットなのか研究者なのかわかりませんが、「狭い」、「暗い」、「恐い」というあまりにも一般的(かつ表面的)な部分しか描かれていないのは作者様の取材姿勢に疑問を感じます。