時空モノガタリ-感想録

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いまのひとこと 読まねば

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 

ワンシーンの代役

2 作者 悠真さん
3 投稿 19/01/04
4 書出 『撮影は十秒にも満たない一瞬の着地シーン。』

 

煮詰まっていると感じる時にも他者の言葉に素直に耳を貸す――そんな主人公の純粋さが好印象の作品でした。


プロフェッショナルたろうとする意識を持つきっかけの場面がほどよい長さで切り取られていると感じました。

 

 

体調不良の先輩に代わって急きょ現場入りするスタントマンの主人公。

『ただ綺麗に着地を決めればいいと思っていた』彼が、役作りに対する主役俳優の姿勢に胸を打たれて『ここを飛び出してから着地を決めるまでの刹那、俺は主役だ』と思いを新たにする作品でした。

 

本作でも十分、良作だと思います。文章作法的にもストレスが少ない作者様ですし、きれいにまとまっている印象があります。コンテストテーマをきちんと活かそうとした作品作りにも好感が持てます。

 

一方で、個人的には逆の配役のほうが好きかも、と思いました。

主人公が若手俳優で、スタントマンのプロ意識に改心するというか……王道ですけど。