第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】
1 題名
ドゥ・ジ・エヴォリューション
2 作者 村沢走さん
3 投稿 19/01/23
4 書出 『大食い選手権なんて、出れるだけ凄いと思うが、家の彼女は格が違った。』
『エビチリ四人前を完食しデザートにパフェを食べ』ているものの、食後の会計では『モツ鍋って此んなにするのか……』と驚かれていますので、モツ鍋はどれほど召し上がったのかと興味がわきました。また、二人の馴れ初めである『弾ける千穂。出品する僕。』という部分も言葉の意味がわからず気になりました。
とにかく言葉選びが腑に落ちないです。
本作は、大食い自慢の彼女ができた主人公が、彼女が大食い選手権大会に出場できるように奮闘しようとする話です。
(腑に落ちない表現の箇条書き)
・『出れるだけ凄いと』
→ら抜き言葉?
・『家の彼女は格が違った』
→うちの、を変換して、家の、だと意味が変わってくるのでは?
・『其れ』、『其の』、『此んな』、『斯う』、『或る』、『遣ろう』、『其処』、『乍ら』、『如何する』
→それ、その、こんな、こう、ある、やろう、そこ、ながら、どうする。漢字表記することでどのような効果が生まれるのでしょうか? 読みづらくなる?
・『二人の間に忌憚はなくって』
→忌憚、てこういう男女の関係でも使うんでしょうか? 意味だけで選んでいませんか?
・『とは。告げて、』、『言に、千穂は返す。』
→作者様が大好きな表現のひとつ「結んで」と同様に、文中でセリフと地の文を繋げる工夫がないように感じられる。
・『其の足で僕へと斯う告げた』、『其の足で千穂へと、此んな風に告げた』
→その足で、に続けて告げた、はおかしくありませんか?
・『辟易として』
→使い場所も疑問ですが、として、はおかしい?
・『一気にファンが増殖するかも』
→増殖、て元々あるものが増えるんですよね? ファンがいるんですか?
・『僕は安心して、其れを臨んだ』
→それに、では?
・『準々決勝で、千穂は敗れた。』
→『予選を二位で通過すると、本戦でも順当に勝ち』、『決勝の舞台』に行って、どうして準々決勝なんでしょうか?
・『僕は、感けている自らを嗜めると、』
→かまけている、に受けさせる語が見当たらない?
ちなみに、時空モノガタリさんの感想欄で作者様からコメントをいただきました。『モツ鍋』は触れていただけませんでしたが、『弾ける千穂。出品する僕。』については、『千穂は爆食、主人公はバイト先での出品です。有り難う御座いました。』とのことでした。
……どこを読めば、それがわかるんでしょうか? 脳内設定? といいますか、『バイト先での出品です』も日本語として意味がわからないです。日本語が苦手な方なのかもしれないと思えてきました。
あと、非常に個人的な話ですが、女の子が真剣かつコミカルに緊張感を持って大食いに挑む、という描写において『イリヤの空、UFOの夏』(秋山瑞人,メディアワークス,2001.)の『無銭飲食列伝』の描写は実に魅力的でした。