時空モノガタリ-感想録

2000字小説投稿コンテストサイトの「時空モノガタリ」でコメントした内容を記録しています。

いまのひとこと 読まねば

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 

恥を蹴ろ!

2 作者 ササオカタクヤさん
3 投稿 19/02/14
4 書出 『昔じいちゃんが僕に教えてくれた「恥を蹴ろ」という言葉。』

 

『じいちゃん』の言葉を素直に受け入れて、前向きであろうとする主人公の元気さが眩しい作品でした。また、学校の文化祭という場面で、クラス総動員でドッキリを仕掛ける同級生達の覚悟にも驚かされました。

 

◎アラスジー

 本作は、『コミュニケーションが上手く取れない』主人公がクラスの人気者の引き立て役として、文化祭でロミオとジュリエットのジュリエット役をやることになるものの、当日ロミオ役以下全クラスメイトが舞台をボイコットしたことで、一人舞台に取り残され途方に暮れるが、祖父のアドバイスである『恥を蹴ろ!!弾けるんだ!』を実践しようと舞台で大声を上げて多幸感にひたるお話です。

 

◎カンソー

 文化祭に基点を置いた作品としては今回のコンテストではモテバブル崩壊(作者:若早称平さん)がありました。かなり妄想がかきたてられる作品でした。

 

 そういえば【弾ける】のテーマを「はじける」と読んで、『恥蹴る』と変換し直す作品も……ありましたね。私の可愛い弟くん(作者:浅月庵さん)でした。どんなアルバイトでもやってやるぜ! という作品でした。

 

 今作を読んで本家サイトの感想欄でも書かせていただいたんですが、ドッキリが大掛かり過ぎる気がするんですよ……『舞台袖を見てみるとクラスのみんながいなくなっていた。客席を見るといるはずのないクラスのみんなが笑って僕を見ている。はめられたんだ。僕を笑い者にしたかっただけなんだ。悔しくて涙が出てくる。その姿を見てクラスのみんなはまた笑う。その笑い声に釣られて観客も笑い出す。』とあるんですが、笑うためだけに、こんなことを……? 練習とか、後の醜聞を考えると割に合わないでしょう……さすがに。

 

「笑い」に妥協しないですね……養成所か何かなんでしょうか。

 

『ビタミンF』(重松清,新潮社,2000.)という作品の中に『セッちゃん』という作品があるんですけど、やってもこれくらいじゃないでしょうか? 

……まあ、十分、落ち込む内容なんですけど。