第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】
1 題名
弾ける笑顔の埠頭にて
2 作者 mokugyoさん
3 投稿 19/02/18
4 書出 『映画館の前で、弾けるような笑顔で君が待っていたんだ。』
『何がそんなに楽しいのかと思うほどに』、『終始楽しそうに笑ってい』る彼女の態度も、実際のところ主人公を歯牙にもかけていないことの表れかと思うと切ないお話でした。それにしても、殺し屋家業と繋がりのある、銃を所持した、4人の男を笑顔で制圧できる警察官は頼もしいですね。
◎あらすじ
本作は、主人公がある女性を殺害しようと試みるも、反対に殺されそうになったところで、警察官が大立ち回りして、手錠をかけられるお話です。
◎感想
警察官が威光をもって犯罪者に相対する姿がオチになる、というと全国定額制提携賃貸契約(作者:64GBさん)を思い出すわけですが、『逮捕です!』できれいに締め括れると作者様に思われているわけですから、警察さんも嬉しいんじゃないでしょうか。話に幕を下ろす力があるって認められているってことですものね。
コンテストテーマ【弾ける】をこれでもかというほど投入しているので、【弾】の作中登場回数でいえば、今コンテストトップではないでしょうか? 調べませんが。
そういえば職業殺し屋と、快楽殺人者、て何が違うんでしょう、と本作を読みながらふと思いました。人の死に対して何を感じるか、ということなんでしょうか。『「このままあなたを蜂の巣にしてもいいんだけど、それじゃあつまらないから弾けてみせて!」』とか女性(『殺し屋の家系』。ラーメン屋さんみたいですね……)は言っているんですけど、明らかに無駄に見えるんですけど、何か意味があるんでしょうかね。作中に三流殺し屋はたくさん出てくるけど、一流は一人も出てこなかったなあ、という感想でした。