時空モノガタリ-感想録

2000字小説投稿コンテストサイトの「時空モノガタリ」でコメントした内容を記録しています。

いまのひとこと 読まねば

【 着地 】の(個人的)傑作選

投稿数58件。予想に反して投稿数の伸びなかったコンテストになりました。

 

身近に感じるテーマであるゆえに個性を出しづらく感じられたのか、はたまた、季節の寒さゆえか……

 

以前のコメントでも触れましたが、コンテスト募集ページのイメージ画像の印象が強かったのか【着地】よりも【落下】に主眼が置かれた作品が多かったように感じました。

 

それはともかく、独断と偏見で面白かった作品の紹介をしたいと思います。

 

01.

遠くへ、飛べ

(小峰綾子さん作)

陸上競技走り幅跳びで活躍する同級生との見えない壁。第一線を退いてサポートに回る主人公が抱えるもやもやとした感情。それらは何らわかりやすい解決に至ることなく、物語の幕は閉じます。ただ、全てを吹き飛ばすように『飛べ!』と叫んだ主人公が【着地】を見届ける視線の熱さが伝わる作品です。

⇒感想:第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

 02.

飛び降りて、飛び上がり、着地する

(吉岡幸一さん作)

ビルの屋上で繰り広げられる、浮気された女と借金を負った男の邂逅。絶望の中で、不意打ちのように互いに惹かれる彼氏彼女を風が無情に突き落とす。ところがビル直下のトランポリンが2人を奇跡的に元の位置へ運ぶ。ところがまた風に突き落とされる。「運命に翻弄」どころか、風とトランポリンに弄ばれるかのような2人に【着地】は訪れるの?

⇒感想:第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

 03.

ワンシーンの代役

(悠真さん作)

スタントを生業とする主人公。ところが先輩スタントマンの代役で抜擢された【着地】シーンは何度やっても撮り直し。撮影監督に毒づく彼に、主役が見せたプロの矜持。甘い認識しかなかった自己を卑下することなく、バネにかえる大胆さが光るラストです。

⇒感想:第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

 04.

そして、動き出す

(若早称平さん作)

少年期に「ほんの少し浮かび上がる」超能力に目覚めた主人公。力を持て余しながら、うだつの上がらない生活を送っていた彼は、かつての同級生と再会する。ところが同級生もまた「接地していない時だけ周囲の時間を止められる」超能力に目覚めていた。二人は手を組み、「時間停止」を駆使して犯罪行為に手を染めるが、ある日、主人公は手を引くことを考え……2人の【着地】点は?

⇒感想:第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

 05.

向日葵の風船

(野々小花さん作)

最も推したい作品

⇒感想:第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

 06.

足枷同盟

(小高まあなさん作)

ある日起きたら体が浮いている。どうやら『地に足つかない生活』をしていたかららしい。このままじゃ日常生活に支障をきたす――そんな主人公がネット通販で見つけた牢屋の囚人用のごとき鉄球と鎖。「地に足ついているように偽装する」アイテムだというそれは、他者には見えないという。装着すると確かに【着地】できた。副効果で、安定感が醸しだされて、仕事も私生活も上手くいくが、もし外したら……?

⇒感想:第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

 07.

人生の階段

(秋 ひのこさん作)

高校の恩師の持論『人生は一段ずつ降りていくことの積み重ね』を自身の人生の指針にする主人公。高みを目指して努力するより、勇気を出して飛び込む毎日。そんな風に【着地】するたびに成功する実感がある。ところが、そんな自分を拒絶するかつての恩師。「若さ」を理由に己の嫉妬を飲み込まない先生の生き方に胸が苦しくなります。

⇒感想:第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

 08.

紙飛行機

(木野 道々草さん作)

推したい作品2

 ⇒感想:第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】