時空モノガタリ-感想録

2000字小説投稿コンテストサイトの「時空モノガタリ」でコメントした内容を記録しています。

いまのひとこと 読まねば

第165回【弾ける】

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 いつか咲ける日 2 作者 宮下 倖さん3 投稿 19/02/094 書出 『昇降口の奥の角を折れると、渡り廊下から吹きこんでくる風はもうだいぶ秋の冷たさを含んでいた。』 名ばかりだった「進路」を、自分のものとして捉え始めた主人公の心の動揺が丁寧に描…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 私の可愛い弟くん 2 作者 浅月庵さん3 投稿 19/02/094 書出 『弟の優弥が私の部屋を訪れて「○○デビュー」するって、ちょっと勿体ぶってから言ったのに、私は「○○」の部分が聞きとれなくて、この子って音楽の才能や文才なんてあったっけ?と困惑す…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 夏、弾ける 2 作者 文月めぐさん3 投稿 19/02/074 書出 『自転車のペダルをぐっと踏み込む。』 ド王道の展開に身悶えました。大学一年生の夏……彼ら、彼女らは二年生、三年生……とどのような夏の景色を見るのでしょう。きっと、そこにもパンッと弾…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 美しい姉妹 2 作者 秋 ひのこさん3 投稿 19/02/074 書出 『姉が笑うと、きらきらまばゆいものがぱっと飛び散る。』 【弾ける】を考える時、周囲に影響を与えずにはいられまいという視点が興味深かったです。『私は計算高い子供だった』と言い切る…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 その花は、さっきより少し鮮やかに見えた 2 作者 陽川 文実さん3 投稿 19/02/034 書出 『ゆるやかな坂を上った先に、その神社はある。』 余命を告げられる絶望感や、当事者でありながら何もできないという無力感に押しつぶされまいと、健気に振る…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

2019年も2月に入ったので、現在、募集中のコンテスト【弾ける】における各投稿作品のテーマの扱い方を整理したいと思います。 募集ページの画像を見る限りでは「はじける」(オノマトペ的にはパシャッとかパンッという破裂音でしょうか)だと思いますが、既…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 業 2 作者 64GBさん3 投稿 19/01/314 書出 『墨の中 仏の姿探すとも 十重二十重と 今日も生きれり』 閉じられた世界に安寧を見出す集落らしさが表現されていると感じました。よそ者は爪弾きにされる、という意味でもコンテストテーマに添った内容…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 ぽんっ 2 作者 井川林檎さん3 投稿 19/01/314 書出 『 「それで。検査結果によっては、おろすの」』 『産科は混む。待ち時間だけで、どんなに疲れることか。』という一文に臨戦態勢というか……覚悟のほどがうかがえる主人公の力強さがうかがえる作…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 防弾スプレー 2 作者 戸松有葉さん3 投稿 19/01/284 書出 『防御こそ最大の軍事力!』 『軍の上官や政府要人は集まっているものの、結局博士から実験結果の報告を待つしかなかった』という場面はきっと現実でもよく見られる状況なのでしょう。現…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 風船のものがたり 2 作者 白*hakuさん3 投稿 19/01/274 書出 『自転車の空気入れで、ぼくは赤い風船を膨らませていた。』 ナイフ少年と同様に、どうして主人公が風船を膨らましているのかわたしも気になりました。 本作は、通り道で赤い風船を膨…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 放課後の音楽室 2 作者 うたかたさん3 投稿 19/01/274 書出 『それは金曜日、校舎中にチャイムが鳴り響く。』 『それよりも大事な誘いがあったから当然断った』とはりきる主人公が、何を予感して音楽室に向かったのかが気になる作品でした。 本作…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 神の指 2 作者 七原 紅音さん3 投稿 19/01/264 書出 『彼女は、一度耳にした曲なら全て正確に弾くことが出来た。』 『全く上達しなかった』、『下手なままだった』、『泣いてばかりいた』と散々な主人公ですが、練習が嫌になって投げ出した、とい…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 ハッシュ 2 作者 村沢走さん3 投稿 19/01/234 書出 『深閑たる平原を抜けると、其処に湖は在って、二人は水上ボートの横に着く。』 『でも勘違いしないでよね。私、ボート乗りたいだけだからね』というセリフに何とも言えない懐かしさを感じまし…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 ドゥ・ジ・エヴォリューション 2 作者 村沢走さん3 投稿 19/01/234 書出 『大食い選手権なんて、出れるだけ凄いと思うが、家の彼女は格が違った。』 『エビチリ四人前を完食しデザートにパフェを食べ』ているものの、食後の会計では『モツ鍋って…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 フィックス・ユー 2 作者 村沢走さん3 投稿 19/01/234 書出 『女だてらに格闘技なんて遣るからには、其れなりの理由が有る筈だった。』 『「違うでしょっ!! 何でっ!! 何でっ!! 分かってくれないの――……っ!!」』という『田中』さんの叫びに…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 最高と最低の休日 2 作者 くまなかさん3 投稿 19/01/234 書出 『「龍二くん、飲み過ぎだって」』 本屋で迷うことなく購入する書籍を選べる『佐奈』さんが羨ましかったです。キャラクターの造形が巧みだと感じました。 正直、引くほどクズクズしい…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 メロンソーダでよろしいですね 2 作者 悠真さん3 投稿 19/01/224 書出 『着々と客を捌く店員。』 面白かったです。 現実にも遭遇しそうな場面とやり取りで、当事者には我慢ならないのに第三者には愉快にすら思える。特に話の後段になって、『「で…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 獣の別名 2 作者 クナリさん3 投稿 19/01/214 書出 『高校二年の十二月。』 条件付きとはいえ任意の対象者の頭を爆散させる超能力は驚きの設定でした。『十数年』の月日を経てもなお『自己申告』でしか罪に問えない社会構造のなかで、ここまで生…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 シャボン玉 ♪♪ 2 作者 風宮 雅俊さん3 投稿 19/01/214 書出 『ストローをシャボン液が垂れないように慎重に口に運ぶと、ゆっくり大きく息を吹き込んだ。』 『凍り付』き、『動けないでい』ながらも、『満面の笑みを浮かべ』られる娘の芯の強さが…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 冤罪のない国 2 作者 戸松有葉さん3 投稿 19/01/214 書出 『「不当逮捕だ! 大使館に連絡しろ!」』 どうしてこの外国人は逮捕されたのでしょう。背景が気になりました。 『冤罪のない世界で唯一の国』として知られる某国――かつて冤罪大国であっ…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

1 題名 虹色 2 作者 R・ヒラサワさん3 投稿 19/01/214 書出 『虹色をした球体はタケルの手からわずか数十センチの距離で、パッっと弾けて空へと消えた。』 思い描く構図のためには周りが視界に入らない主人公――ある意味では夢見心地のような彼の目を覚…

第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】

今回のテーマは【弾ける】です。 恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、小説・エッセイ等の散文であればスタイルは問いません。体験や事実に基づく必要もありません。 時空モノガタリ賞発表日:2019/03/25 ※同一投稿者からのコンテストページへの投…