時空モノガタリ-感想録

2000字小説投稿コンテストサイトの「時空モノガタリ」でコメントした内容を記録しています。

いまのひとこと 読まねば

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 極楽鳥の降り立つ部屋 2 作者 待井小雨さん3 投稿 19/01/194 書出 『脚のない鳥が飛んでいた。』 語り部の望みとは違うのでしょうが、足の無い極楽鳥がやはらかな苔に不時着するイメージにうっとりしてしまいました。 非常に個人的かつ偏見に満ち…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 猫が木に登ったのは運命か 2 作者 白汐鈴さん3 投稿 19/01/194 書出 『運命について考えようと思う。』 運命の言葉に翻弄される主人公の心と思考の移り変わりを楽しく読ませていただきました。 手を伸ばす仕草が崇高なものにすら見える女神、水嶋…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 ツイスミ不動産 物件6: お仕事付き一軒家 2 作者 鮎風 遊さん3 投稿 19/01/194 書出 『気温14℃、随分と暖かくなってきた。』 キザで苦み走った燻し銀で人差し指を頻繁に振る男性が魅力的でした。 時代を感じます。 前に読ませていただいた『…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 エレベーター 2 作者 64GBさん3 投稿 19/01/194 書出 『オレは今エレベーターホールを真っ逆さまに落ちている。 』 エレベータのかごの中にいるのかしら、と思わせて生身で落下しているという事実が衝撃的ですね。 やぶれかぶれにも思える主人公…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 そして、動き出す 2 作者 若早称平さん3 投稿 19/01/184 書出 『ドラえもんが靴を履かないのは少し宙に浮いているからだ。』 面白かったです。 中学時代には『宗教を作るだとか、足跡を使ったトリックで完全犯罪をするだとか』というアイデアを『…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 上だけの世界 ~いつ着地するのか?~ 2 作者 とむなおさん3 投稿 19/01/154 書出 『ウツウツ……とした気分で、僕は目を開けた。』 謎の踊り場。 不気味な黒いドア。 反転した世界に生きるチャーミングな女性。 黒スーツ姿のガイノイド。 そして主…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

第164回【着地】は投稿が小休止に入ったようです。 現在の投稿数は34件とのこと。 ……新作が来なくて物足りないです! コンテストの常ですが後半は投稿数が伸びるので、今回のコンテストは100件に達するやもしれません。読むの追いつくかしら? 読ませていた…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 着地失敗 2 作者 W・アーム・スープレックスさん3 投稿 19/01/104 書出 『惑星探査ロケット『クマタカ』は、その名のとおり鳥のように軽やかに地面を離れると、上空高く舞い上がっていった。』 超能力者が一般に認知される社会では、産業も学術…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 田中 2 作者 実さん3 投稿 19/01/064 書出 『田中にはいつにもまして自信があった。』 『靴をネックレスにして首にかけ二十階の高さから飛び降』りるという奇行に走らずにはいられない。 そんな主人公の追い詰められた雰囲気が淡々と羅列されてい…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 交響曲異譚 2 作者 三明治さん3 投稿 19/01/064 書出 『時は文化5年と申しますので19世紀初頭1808年、処はヨーロッパ音楽の都ウィーンでこと。』 時空モノガタリさんで講談調の作品を拝見するのは珍しかったので興味深く読ませていただき…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 異能力窮鼠 2 作者 悠真さん3 投稿 19/01/064 書出 『数十分前に死を覚悟したつもりだったが、いざ目前に迫ると、そんな覚悟は所詮形だけだったのだと、自分の生への執着心の強さを思い知らされるのだった。』 コンテストテーマを意識された超能…

No.162【あだ名】総評

時空モノガタリさんでは、コンテストの入賞作・最終選考作に選評と総評が公開されています。また、コンテスト全体へのコメントもあり、傾向を掴むことができます。 各評価ですが、基本的に褒めて伸ばす、良い部分を見つける、作者の意図を汲む、という方針が…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 未来人田中 2 作者 実さん3 投稿 19/01/054 書出 『田中はいつにも増して憂いていた。』 『人間で作られた車』というものがどんな外観なのか想像ができませんでしたが、きっと作者様にはイメージが浮かんでいらっしゃるのだろうと思いました。 『…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 月への行き方 2 作者 micchoさん3 投稿 19/01/054 書出 『ヘルメットの中の乾いた呼吸音だけが、一定のリズムで鼓膜をかすかに震わせている。』 兄と比較され、叱られながらも捻くれることなく、兄に憧れ続けることができた主人公の強い思いが伝…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 恋は落とし穴 2 作者 浅月庵さん3 投稿 19/01/044 書出 『俺の周りにはキュートな女の子がいっぱいいるので、みんなのことが好きになる。』 自己中心的に愛を探し続ける主人公。 刹那主義かつ他者の本質に興味なんてないように見える彼にとって、…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 着地狩り 2 作者 越百まひろさん3 投稿 19/01/044 書出 『着地狩りがまず基本だ。』 熱中しているゲームにも理性的である主人公の落ち着きが興味深い作品でした。 小説でゲーム仕様を描くには、膨大な情報を取捨選択する視点が必要になる、と改め…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 ワンシーンの代役 2 作者 悠真さん3 投稿 19/01/044 書出 『撮影は十秒にも満たない一瞬の着地シーン。』 煮詰まっていると感じる時にも他者の言葉に素直に耳を貸す――そんな主人公の純粋さが好印象の作品でした。 プロフェッショナルたろうとする…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 ある方法 2 作者 蹴沢缶九郎さん3 投稿 19/01/044 書出 『ある男が、ビルの高層階からエレベーターに乗り込んだ。』 エレベータの突然の急降下。 心臓が凍りつくような体験ですね。 普通に考えれば男性は助かりそうにもない。 ところが起死回生の…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 回収とそれに至る道筋の試行錯誤 2 作者 悠真さん3 投稿 19/01/034 書出 『男は女を少しでも楽しませたい一心なのか、あれこれたわいもない話を繰り広げているが、女は「へえ」とか「ふうん」とたまに適当な相槌を挟むだけで、退屈しているのは明らか…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 飛び降りて、飛び上がり、着地する 2 作者 吉岡幸一さん3 投稿 19/01/034 書出 『女は今まさに超高層ビルの屋上から飛び降りようとしていた。』 面白かったです。 落下した先にトランポリンがある、というのは墜落ジョークの定番のような設定です…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 時を紡ぐ悠久の奇跡 2 作者 邑生ゆじさん3 投稿 19/01/024 書出 『「今度はボクの番だって、生まれた時からわかっていたことだから」』 365日の擬人化とでもいうべき作品で、時間の進み方を思うと果てしない気持ちになりました。 御作の設定にあ…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 しりとり 2 作者 紫金曜日さん3 投稿 19/01/024 書出 『病院から帰る途中、母は幼い僕を連れて映画館に寄った。』 幼い『僕』の眼前で、青年が作業着姿の男に口説かれる。 青年が困っている、と判断した『僕』の割り込みにより、密やかな空気がパ…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 Like the Zombie 2 作者 64GBさん3 投稿 19/01/014 書出 『ゾンビのように男が歩いている。』 『頭』に執着していた『幼い僕』がいつからか、それに対する関心を失っている。 無力さから解放されたようでもあり、理性を喪失したようでもあり、や…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 深淵への旅 2 作者 マサフトさん3 投稿 18/12/314 書出 『“これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である”』 個人的に「しんかい6500」のドキュメンタリーが好きなので楽しく読ませていただきました。 「しんかい12…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 進めない着地 2 作者 うたかたさん3 投稿 18/12/304 書出 『そのとき僕は、白くて柔らかなしかく確実な踏み心地のある地面に着地した。』 地に足着いていない、ふわふわとした浮遊感が伝わってくるお話でした。 構成も、校正も、ふわふわで地に足…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 最初の一歩 2 作者 W・アーム・スープレックスさん3 投稿 18/12/274 書出 『地質学者のハーンがもたらした分析結果が、惑星調査船ギ・ルレア号の搭乗員たちを心底驚嘆させたその数時間前、惑星上に着陸したギ・ルレア号のエアロックから出た十名…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 ワンダリング・スター 2 作者 村沢走さん3 投稿 18/12/264 書出 『パジャマ姿の御姉さんが出て来た。』 『僕』はかつて『真帆途』さんと結婚の約束をした。 しかし約束から数年後、彼女のお姉さんである『久美』さんに告白することを決意し、事前…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 メザニン 2 作者 村沢走さん3 投稿 18/12/264 書出 『修学旅行の帰り道で、隣同士の席になった。』 『スワンプマン宜しく沼地を逃れた僕は、帰りの途を急いでいた』とあるので、修学旅行で主人公に一体何があったのだろうと気になりました。 ……文…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 バンジージャンプ 2 作者 村沢走さん3 投稿 18/12/264 書出 『此の命綱が切れたなら、如何なるのだろう。』 社員旅行の『御褒美』のバンジージャンプで毒を抜く。不器用というかズレているというか……主人公『私』の述懐を楽しく読むことができま…

第164回 時空モノガタリ文学賞 【 着地 】

1 題名 犯罪差別 2 作者 戸松有葉さん3 投稿 18/12/254 書出 『同じ境遇の人たちが集まり、交流することはよくあるが、その集まりは少し特殊だった。』 『結局、議論とも愚痴とつかない話に終始してしまう』という箇所が上手く活かされていると感じまし…